書棚について
書棚は金属製
小学生時代から会社での寮生活まで、3千〜1万円ほどの木製書棚を使ってました。木製書棚は重く、組立に結構手間が掛かり、分解はもっと大変です。さらに時間がたつと、本の重量で棚板が撓みが進行していき、本棚がだんだん格好悪くなります。
一方、金属書棚は軽く、組立も金属をはめ込むだけなので、接着剤は不要ですし、ガタなどの工作のばらつきは発生しづらいです。また、経年的な変形もありません。社宅に引越してから、金属製書棚を使い始め、同じ棚を3台購入して使ってます。
金属製と木製の比較(1)寸法・重量の単純比較
家具やインテリアとの調和などは考えず、金属製書棚とそれに似た寸法の木製書棚の寸法・発送重量を比較しました。金属棚は私が使っているものです。
木製の方が若干寸法が大きく、公平な比較ではありませんが、金属製の方が軽そうです。
金属製:W800×D260×H1800mm(6段)発送重量 19.2kg
木製: W905×D290×H1840mm(8段)発送重量 34.6kg
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金属製と木製の比較(2)力学的な考察
次に棚板を梁として考え、棚板の撓み量、曲げ応力など、力学的観点から書棚重量の違いを考えます。
長さlの棚板に、両端単純支持(回転拘束無し)、一様分布荷重wが作用すると仮定した場合、最大撓み量、最大曲げ応力は下式で評価されます。
ここで、Eはヤング率、Iは断面二次モーメント、Zは断面係数です。IやZは板厚など梁の断面形状で決定されるパラメータです。
作用荷重と棚板の長さが同じであれば、撓み量はヤング率Eと断面二次モーメントIで、曲げ応力は断面係数Zで決定されます。
所定の限界撓み量に対して、木材(wood)のヤング率Eは鋼(steel)の1/20程度なので、金属であればより薄い棚板で設計可能です。また、船舶や航空機のように、板中央にリブを設置することで、断面二次モーメントIや断面係数Zを確保したまま、板厚低減ができます。
分かりづらいですが、私が買った金属製書棚にはリブが設置され、棚板の板厚は1mm程度です。こういう工夫で軽量な金属書棚ができているものと思います。
(補足)
- 木材(Oak)の比強度は鋼(304 Stainless Steel)の2倍程度で、同じ重量なら木材の強度は高そうです。しかし、書籍の重量では、撓むことはあっても、破損することはなさそうなので、破損より変形が強度設計の制約になっているものと考えます。
- 今回取り上げた木製書棚では剛性を高めるため、中央にも側面板を設け、背面板を設置しているものと思います。
- 現在自宅には、金属書棚3台、木製書棚5台あります。
参考
機械工学便覧 基礎編 α-3 "材料力学"
Specific strength - Wikipedia
Young's modulus - Wikipedia